こんにちは、草作です。
フウロと夫婦の世界一周旅行がスタートして早10日。
ようやく、僕たちが旅の目的として掲げていた計画が実現できました。
それは、各国の旅の思い出を紙にして、その制作工程を動画にすること。
僕たちはその計画を、「TRAVEL’S PAPER」という一つのプロジェクトとして、発信していくことにしました。
TRAVEL’S PAPERの概要
最初の一本目は、「TRAVEL’S PAPER in Russia」
ロシア、ノヴォシビルスクで出会った5つの素材で、紙を制作しました。
TRAVEL’S PAPER制作のきっかけ
旅を始める数ヶ月前。
世界一周の思い出を、僕たちらしい形で残すことができないか考えていた時に、フウロがふといいまました。
「世界一周をするなら、現地の素材で紙を作りたいなあ。」
現地の素材で紙を作る。目から鱗の提案でした。
妻フウロは、日本では和紙作家として活動しています。
そして僕は、学生時代から映像制作や企画を学んできました。
フウロが現地で紙を作り、僕がその素材の出会いや制作過程をまとめて、現地で動画にするプロジェクトが浮かびました。
TRAVEL’S PAPERの道具
しかし、一点ハードルがあります。
それは、現地で紙を制作するための道具。
通常、日本で紙漉きをする際の道具や設備はとても大きく、繊細です。
一方、僕たちはどんな国でも無理なく滞在できるように、荷物も必要最低限まで減らしています。
いつもの道具を持っていくのは当然不可能。
「これじゃ紙を作れないよ…」と弱気の僕に、フウロは「持っていける大きさの道具で作ろう」と頼もしく言いました。
それからは、荷物に入る大きさで、必要最低限の道具を吟味する日々。
最終的に、8つの道具に収まりました。
道具一覧
・簀桁(すげた)
・折りたたみバケツ
・かくはん用の鍋
・ミートハンマー
・木の板
・ブリキ板
・水切りタオル
・不織布
・かくはん棒
簀桁(すげた)
紙づくりの基本の道具。
簀(す)と呼ばれる網の部分で砕いた紙の原料の水を濾し、素材の繊維を絡ませることで紙を制作します。
桁(けた)の部分は簀を取り外せるように二つの木枠になっていて、紙漉きの際にはここの部分を持ちます。
普段の紙制作では2尺×3尺版や色紙版など大型の簀桁を使用していますが、今回は持ち運びに便利なハガキ大の簀桁を持っていくことにしました。
折りたたみバケツ
今回の道具選びで一番難航したのが、紙の原料を溶く「舟」と呼ばれるぶ道具。
紙漉きをするにはある程度の水量を貯める必要がありますが、旅先に大きな舟を持っていくことはできないし…。
色々探していると、最近出回り始めた折りたたみのシリコンバケツに目がいきました。
元はペットの散歩中の水やりなどに使われるようになったシリコンバケツですが、洗濯用の大型のバケツがあることを知り、購入することに。
広げれば5リットルの水が入り、折りたためば高さ3センチにまで縮小できます。まさに移動式紙漉きのための商品!
かくはん用の鍋
原料となる素材を入れてかくはんしたり、水を切った原料を入れるための鍋。
こちらは少々粗めに使うため、軽いけど丈夫な道具が求められました。
道具選定の時にも度々登場したモンベルに登山用の片手鍋があったので購入しました。
安定のモンベルです。
世界一周に持っていったモンベル製品についての記事はこちら

ミートハンマー
次に、原料を打解して繊維状にするためのハンマー。
通常は大きな木槌で行なっていますが、今回は持ち運びに便利で、先端がボコボコしているミートハンマーを選びました。
先端のボコボコ具合が打解の効率を上げてくれます。
木の板
原料を叩いたり、出来上がった紙を平らにする押し板として使う板。
A4サイズのベニヤ板を二枚持っていきました。
これがちょうどよく折りたたみバケツにフィットします。
ブリキ板
出来上がった紙を干すための板。
通常はアルミ版やトチの木の板を使用しますが、今回は100円ショップで見つけたブリキの板がちょうどよかったので、これを選択しました。
最近の100円ショップのクオリティには驚かされるばかりです。
水切りタオル
出来上がった紙の水分を素早くとるために、水切りタオルを持っていきました。
こちらも100円ショップの製品。水切れ度も素晴らしいです。
不織布
残った紙の原料を濾したり、漉いた紙の水気を拭き取るために重宝する不織布。
ざると同じ役割も果たしています。
かくはん棒
紙の原料を水に溶かしてかくはんするための棒、こちらも100円ショップで購入しました。
共同製作者の紹介
現地で紙を作り、僕が映像にまとめる。
あと一つ、足りないものがあります。
それは、TRAVEL’S PAPERのBGM。
各国の紙づくりに合わせて、その国の空気が感じられる音楽を添えたいなと思っていました。
15カ国。各国違うBGMをオリジナルで制作してもらう。
作曲のハードルとしても、労力的にもかなり大変なこのお願いを、僕の大切な後輩にお願いすることにしました。
第1カ国目の映像から、音楽がとても大事な役割を果たしてくれています。
今後も各国のテイストに合わせて流れるBGMにも期待していただければ幸いです。
TOSHIKI NAGASWAのプロフィール
共同製作者 1995年新潟県生まれ。
日本大学芸術学部在学中より多くの楽曲を手がけ、 卒業後の現在も様々なジャンルにおける楽曲提供をこなす。
また、『MOJUMOJU』名義にてプレイヤーとしても活躍中の注目の若手音楽家。
まとめ
これから、僕たちの世界一周のもう一つの目的が始まります。
この動画を元に、みなさんが各国の空気を少しでも感じられれば幸いです。
また、もしこのプロジェクトが気に入りましたら、動画のシェア&紹介をしていただけますと幸いです。
草作でした。