「モノではなくコト消費」
という言葉を昨年は100回くらい聞いた。普段の暮らしではなかなか聞かないけれど、地域・地方創生に近い場所に携わるとここまで飛び交っている言葉だとは…。
改めて「コト消費とは?」と問われてしまうと一言で説明できるほど自分の言葉に噛み砕いて理解してはいなかったので調べてみたら、ややっすでにコト消費を飛び越えてトキ消費なるものまで出てきていました。
モノ・コト・トキ消費はこんな感じ。
引用先:博報堂Webマガジン
このトキ消費っていう考えには共感できるし、よく考えてみると僕とフウロが目指すものづくりもこの「トキ」っぽい概念が入っているなと。今日はここには書かれていないこの消費を生み出す主体者側の視点として、自分とフウロが大事にしている概念について話します。
ビジネス視点よりも主体者の「大義」が求められる時代
僕とフウロが大学生だった10年ぐらい前。あの頃は事業を作るというと「いかにして利益率の高い事業に目をつけるか」という、テクニック的な話が多かったような気がします。
それは僕が大学時代に勉強してきた広告業界でも同じことで。今までにないプロダクトが作れれば、あとは認知させればバンバンものが売れるっていう時代だった。たぶん2010年はまだ既存事業をWEBやアプリ業界にスライドさせるだけでも儲かるみたいなものがたくさんあったんだなあと思います。
もちろんこれからも事業にはそういう視点は必要だし、きっとスライドさせれば稼げるって言うものがあると思うけれど、僕らみたいな小さな商圏で生きていくようなタイプにとって必要なのは、「真新しさに食いつく」ことよりも「正しいことをコツコツやる」みたいなことだなと感じます。
その正しさというのは
- 自分が携わる明確な理由があること
- 自分の人生の背景的に長所があること
たとえそれがあればたとえ大手の商品に品質が劣っていても、それはトキ消費の「非再現性」に似た価値があるように思います。
手漉き和紙を使って一冊ずつ夫婦で綴じた本 US-BOOK
僕にとって「大義」を軸にものづくりをした初めての経験がUS-BOOKでした。
US-BOOKとは、
- 夫婦世界一周旅行の経験を
- 和紙作家の妻が漉いた和紙で
- 一冊ずつ手作りした本
です。詳しい説明はこちらをどうぞ。
この本には
- 自分が携わる明確な理由があること
- 自分の人生の背景的に長所があること
という大義面はしっかりクリアしていましたが、事業面や運用面というところではなかなか難しさがありました。
でもこのプロジェクトは一回きりではなく、二回三回と続けていった先に結果が見えるのかなと思います。
今も大義を軸にしたプロダクトや発信の場をコツコツと作っています。この考えが3年後ぐらい、コロナが収束したあたりのニュースタンダードになったらいいな。