世界一周を考えている人ならどこかで耳にする世界一周旅行券。
僕と妻のフウロは、ワンワールド世界一周旅行券を使って2018年8月から12月まで夫婦で世界一周をしてきました。
その経験をもとに、実際に手配した世界一周旅行券をの流れと注意点をご紹介します。
世界一周旅行券とは
世界一周旅行券とは文字通り、このチケットさえあれば世界一周できるチケットです。
なんでそんなことが可能なのか、それは世界が3つの巨大な航空アライアンスで繋がっていて、それぞれのアライアンスが世界一周専用のチケットを用意しているから。
世界一周旅行券には3種類あります。それぞれが各アライアンスに加盟している航空会社の飛行機に乗ることができます。
- ワンワールド
- スターアライアンス
- スカイチーム
ワンワールドの特徴
僕は上の三社から、ワンワールドを選択しました。ワンワールドの特徴は主に三つです。
- 唯一の大陸制チケット
- イースター島にいける
- ロシアにめっぽう強い
一つ一つ説明していきます。
特徴① 唯一の大陸制チケット
世界一周旅行券には、移動距離によって値段が変わるマイル換算のタイプと、世界を6つの大陸に分けて運賃を計算する大陸制換算の世界一周航空券のタイプがあります。
マイル換算タイプとは?
マイル換算タイプは、移動距離に応じてチケット料金が決まっているタイプ。フライトが合計16回以内であればどこに行ってもOKです。
このタイプは短い距離でのフライトが多く、同じ大陸で何箇所も行きたい場所があったりする場合に便利です。
この制度を導入しているのは、スターアライアンスとスカイチーム。
たとえば、スターアライアンスの料金体系は下記になっています。(2018年現在)
- 29,000マイル:358,900円
- 34,000マイル:422,700円
- 39,000マイル:494,600円
大陸制換算タイプとは?
大陸制タイプは、移動距離に関わらず、1大陸ごとの就航回数が決まっているタイプ。
マイルの縛りがない分、ダイナミックな大陸移動が可能になるため、南米やオセアニアをルートに入れる場合はおすすめです。
デメリットとしては、同じ大陸内の就航回数は4回まで(スタートになる大陸は3回まで)と決まっているので、大陸間を周遊するのには向いていません。
大陸制を導入しているのはワンワールドのみ。料金体系は下記になっています。
- 3大陸:335,000円
- 4大陸:354,600円
- 5大陸:418,800円
- 6大陸:485,000円
僕の組んだルートでは移動距離が長かったため、大陸制を採用しているワンワールドにしました。
また、ワンワールドの大陸の区切りは独自ルールのため、シベリアがアジア圏に含まれていたり、アフリカの北側の国がヨーロッパ圏に含まれていたりします。
世界一周堂より
この制度をうまく使うことによって、僕たちは4大陸の料金で全大陸を航路に加えることができました。
特徴② イースター島にいける
ワンワールドであれば、世界一周旅行券だけでモアイ像の並ぶイースター島に行くことができます。
イースター島とチリを結んでいるLATAM航空がアライアンスに含まれているからこその特権。
通常、日本からイースター島に行こうとすると25万円以上かかると言われているので、これはかなりお得です。
僕も最初は旅程に加えていましたが、泣く泣く断念。ぜひルートの中に加えてみてください。
いろんな島を巡るツアーを組んでみるのもいいかも!
特徴③ ロシアにめっぽう強い
これは、トゥヴァに行くことを決めていた僕にとって、もっとも重要視していた部分でした。
このトゥヴァという国。ひたすら行きづらい国です。トゥヴァ国内に空港はたった一つ。
空港に就航している都市は、ロシアのクラスノヤルスクとノヴォシビルスクのみ。この都市に行くには、ワンワールドが加盟しているシベリア航空しかありません。
ワンワールドはシベリア航空がアライアンスに加盟しているため、ロシアに行く場合はワンワールド一択になります。
2018年は成田からノヴォシビルスクへの共同運行便も就航しています。(10月12日まで)
シベリアあたりを周遊することを検討されている方にはおすすめです。
準備① ルートを考える
前置きが長くなりましたが、いよいよワンワールドで旅券を手配する方法について説明していきます。
絶対に行きたい国を挙げてみる
手配するためには、どんなルートをたどる旅にするのかを決める必要があります。
まずは、絶対に行きたい国を出してみましょう。僕の場合は、トゥヴァとニウエでした。
次に、その場所に行くための方法を調べてみましょう。トゥバの経由地はロシアのノヴォシビルスクかクラスノヤルスク。ニウエの経由地はニュージーランドのオークランドです。
就航都市を調べるには、行きたい国の公式ページやウィキペディアを調べるとかんたんに出てきます。
世界一周の定義を考えてみる
行きたい国は決まってないけれど、世界一周はしたいしたいという場合もあるかと思います。そういう場合は、自分の世界一周の定義を決めてみましょう。
僕の考える世界一周の定義は、世界の全ての大陸に足を踏み入れること。
もともとアフリカで行きたい国はありませんでしたが、世界一周の定義を考えたことでモロッコに行くことが決まりました。
googleマップを見ながら大陸を見ていると、気になる国も出てくるかと思います。
準備② 行く国を決める
行きたい国があらかた決まったところで、次は本当にその国に行けるのかを考えていきます。
世界一周旅行券は使い放題なのかと思っていましたが、答えはNO。特に気をつけるポイントは、この三つです。
- 飛行機が止まれる空港は最大16箇所まで(経由地も含む)
- 1大陸で止まれる回数は最大4回まで(経由地も含む)
- 1度大陸を出たら戻れない。
飛行機が止まれる空港は最大16箇所まで
これが世界一周旅行券の原則。全部で16箇所の空港に行くことができます。
気をつける点は。16回ではなく、16箇所というところです。計算方法を記載します。
成田ーバンコクに行った場合
この場合、ワンワールドに加盟しているJALで成田ーバンコクの直行便があります。そのため、カウントは1箇所となります。
バンコクーマドリッドに行った場合
これだと、バンコクからロンドンは直行便がありません。バンコクからドーハを経由してマドリッドに行くことになります。
そうすると、ドーハで1箇所目、マドリッドで2箇所目となるので、合計2カウントになります。
ワンワールドのルートマップ作成をすると、都市〜都市までの経由回数がかんたんにわかります。
直行便で行ける場合は青の四角。一回の経由で行ける場合は透明の四角。2回以上の経由の場合は青丸です。
1大陸で止まれる回数は最大4回まで
合計で16箇所行ける航空券ということはわかったかと思いますが、もう一つ縛りがあります。それが、1大陸内で移動できる回数の制限です。
1大陸で移動できる箇所は最大4回までとなっています。
なので、ヨーロッパで10か国回りたいと思っても、ワンワールドのチケットでは不可能です。
でもヨーロッパで1ヶ国しか回らないのは寂しすぎる、という方も多いでしょう。
そういう方は、バスやLCCなどを別手配して移動しています。ヨーロッパだとLCCが安く、1万円程度で乗ることができます。
世界一周旅行券は行く場所によってトクにも損にもなります。イースター島に行こうと思ったら絶対ワンワールドの方がトクですが、アジアの隣の地域に行くためにワンワールドを使ってしまっては損になることもあります。
トクだからこそ、行こうとも思っていなかったところに行けるというのは、世界一周航空券ならではのメリットかもしれませんね。
1度大陸を出たら戻れない
最後のルールです。ワンワールドでは一度出た大陸に戻ることはできないルールになっています。
つまり、ヨーロッパを一度出てアメリカに行った後、またヨーロッパに戻る、ということはできません。
ただし、例外があります。それは、出発地の大陸に限り、帰国する際には戻って良いことになっています。
準備③ 旅程を組む
このカウントを考えながら、ワンワールドの公式サイトにあるルートマップで出発地から到着地を線で結んでいきます。
ちなみに、僕たちの場合は、こんな感じでした。
アジア区間
- 成田
- ノヴォシビルスク(アジア換算)
- バンコク
ヨーロッパ区間
- ロンドン
- マドリッド
- マラケシュ(ヨーロッパ換算)
- マドリッド
アメリカ区間
- ダラス
- ニューオリンズ
- ロサンゼルス
- ホノルル
オセアニア区間
- シドニー
- オークランド
- ブリスベン
- タウンズビル
- 成田(帰国の場合はカウントされません)
ここで僕たちの旅程は180度変わりました。最初に考えていたコースは飛行機が通っていなかった、なんてことはザラです。
抜け道があることもたまにありますが、ワンワールドのサイトで出てこない場合は大抵だめなので、残念ですが他のルートを考えてみましょう。
準備④ 搭乗便を設定する
ルートを設定し終えると、フライトの選択に進むという表示が出てきます。
クリックすると、ルートごとに出発時の日程と便名を選択できるようになります。ここで上から日程を確定させていきましょう。
世界一周旅行券に割り当てられた空席がないか、その季節の就航がないか、ワンワールドのエラーか。大抵はこの便名の画面が正となるので、日程の変更かルート変更をしましょう。
ここでまたルートや日程が二転三転します。
準備⑤ 世界一周航空券を手配する
ようやく旅程も決まりました。いよいよ手配です。
手配はワンワールドのページで申し込む方法と、電話手配の方法がありますが、今回は僕がやった電話手配を紹介します。
電話手配の場合は、出発地で乗る航空会社の窓口から手配することができます。
JALの共同運航便であればJALで手配が可能なので、あるかわからない場合はまずJALに問い合わせてみて下さい。
僕の場合は最初のフライトは成田−ノボシビルスク。たまたま今年だけJALとの共同運航便があったので、JALで手配をすることができました。
JALで手配する
下記に電話をして、世界一周旅行券を買いたいですと伝えます。
・JALマイレージバンク会員:0570-025-031
・会員以外:0570-025-031
※8:00~19:00〔年中無休〕/有料
※気のせいかも知れませんが、会員番号の方が繋がりやすい気がしました
受付の方は世界一周のことを知っているので、面食らうことはありません。
順番に出発日時・出発都市・到着都市を言っていきましょう。もしワンワールドでルートマップを作っている場合は便名を伝えてあげるとスムーズです。
もし決まっていない区間などがあれば、それも受付の方に相談するといい行き方がないか調べてくれます。
少し時間がかかりそうであれば折り返し電話してくれることもあります。通話時間はだいたい30分以上かかるので、折り返し電話してもらうように頼んでみましょう。
手配が進むと、マイレージ会員ページに旅程が加わります。
途中からでも予約を続けることができるので、もし電話中に旅程の変更が起きて決められない場合は後日掛け直しましょう。
旅程が完了したら、電話ごしに支払い先のクレジットカード情報を伝えて支払い完了です。
二人分の航空券を支払うと100万円近い金額になるので、クレジットカードの限度額に注意しておきましょう。
だいたいいくら貯まるかはこちらにまとめています。

さいごに
僕がワンワールド世界一周旅行券に決めた理由と、手配について説明しました。
僕がワンワールドのサイトを開いたのは、ちょうど去年の今頃です。
ページを触る前にはすぐ旅程なんて決まるものもっと楽観的に考えていましたが、結局ルートが完全に決まったのは今年の5月。10ヶ月ほどかかってしまいました。
それぐらい世界一周旅行券は複雑。でも、出発前から行き先を決められるメリットもあります。
世界一周を検討している方は、ぜひ試してみてくださいね。
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問い合わせが増えるにつれ僕のコンサルがどういう方に合っているかわかってきました。
・できるだけ安全・信頼できる旅がしたい
・実体験を元にしたコンサルを受けたい
・夫婦で世界一周を検討している
ワンワールドで行く世界一周旅行は手配が難しく専門的なため、個人でやると大変です。
一般的な旅行代理店や、世界一周堂さんでお願いすると、手配費用は約5万円〜です。
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ダマスカス諸島を調べましたがシリアしか出て来ませんでした。アフリカのどこらへんですか?
コメントありがとうございます。そして大変失礼しました。ダマスカスではなく、マダガスカルでした。アフリカの南東にある大きな島です。修正させていただきました。
マダガスカル
https://goo.gl/maps/ZHWbUBSitXxPukam8