毎日連載中|夫婦世界一周エッセイ

夫婦で世界一周に出発。成田からノヴォシビルスクへ。余裕の船出とはいかず…

心臓の鼓動が収まらない。

旅の出発による高まりではなく、飛行機が行ってしまうのではないかという不安と緊張で。

空港についたのは、朝5時過ぎだった。

僕たちはワンワールドの世界一周旅行券で手配をしているが、まだ席指定ができていない。ワンワールドの旅行券は当日空港のチェックインで行う必要があった。

まずは第一の関門。フウロが飛行機が苦手(なんであんな金属の塊が飛ぶのかわからないらしい)なので、できるだけ隣同士がいいなと思っていた。

チケットの発券までは無事スムーズにいった。早く空港についていたことも幸いして、まだ前方には空席が残っていた。

迎えにきてくれた双方の両親とも合流し、緊張の意図がほぐれていく。会話も弾み、まるで家にいるかのような団欒のとき。

あっというに1時間、2時間とすぎていく。

名残惜しさでついつい長居してしまい、少し遅めに国外手続きの受付に行ってみると、出国ゲートはあふれんばかりの人だかり。

ようやく受付にたどり着いたのは搭乗時刻ギリギリの8時05分

今までののほほんが嘘のように、不安の鼓動が鳴り出した。

慌ただしく手荷物検査へ。

僕はかんたんにクリア。でも、フウロが手荷物検査で引っかかった。

今回、フウロのフィルムカメラを使用する。

旅先で使うカメラフィルムは計70個。20回を超えるフライトでX線に晒されるのは不安なので、手荷物として持っていかなければならない。

最近ではカメラフィルムもX線に晒すように言われることが多いが、しないようにお願いするとフィルムの一つ一つをチェックするらしい。きっとフィルムケースに変なものを入れていないか疑われているんだろう。

出口で待っていても、一向にフウロがやってこない。

心配になって戻ってみると、警備員と一緒に荷物をひっくり返していた。

どうやら何かで引っかかったらしい。

片っ端から荷物をかき回されると、リュックのサイドバックからアーミーナイフが出てきた。

てっきり預け荷物に入れたと思っていた。

泣く泣くアーミーナイフは手放し、今度は国外手続きへ。

こちらの焦りも知らずのんびり手続きを進めるおじさんに、僕とフウロとあと後ろの女の人と一緒にプンプンそわそわしながら待ち、搭乗口にたどり着いたのが、8時22分。

「定刻出発を守るため、絶対に8時20分には搭乗口に到着していてください。」

受付のお嬢の言葉が頭で100回くらい繰り返される。

すがりつくように搭乗口にいたロシア人の受付にチケットを見せた。

すると、ロシア人は意外にも悠長な日本語で言った。

「まだ搭乗口は開いていないので、もう少しお待ちくだい。」

全身から力が抜けた。

よかった、間に合った…。

どうやら飛行機の乗り入れが遅れているらしく、出発時刻が20分遅くなったとのこと。

尻餅をつくように搭乗口付近の椅子に腰掛けた。

体がわなわなしていた。

海外旅行の経験は二人合わせてもたったの3回。空港での手続きにはまだまだ不慣れ。

出発でつまずくなんてことは死んでもしたくない。急激な緊張で全身汗まみれ。胃が痛い。

昨日までは胃がシクシク痛むとフウロが言っているのを「大丈夫だよ」と言っていたのに、僕が傷んでる。

こういう時、ダメージがおおきいのは大抵僕のほう。いざというときは、妻は強い。

フウロと「よかったね、よかったね」と言い合いながら、かえって運がいいと思うようにしようね、と言い合った。

今回乗る飛行機はシベリア航空。マスカット色の機体がトレードマーク。

内装は新しくて綺麗なんだけど、S7は本当にこれでLCCじゃないの?って思うくらい簡素。

テレビモニターがないのはもちろん、イヤホンもなし、ついでに荷物入れる網もない。LCCほどじゃないけど席も狭い。

ただ、USBの穴だけはある。

CAの制服が可愛くて、フウロはロシア好きになりそうと言っていた。

「s7 airlines uniform」の画像検索結果

引用:https://www.s7.ru/home/about/news/s7-airlines-introduces-a-new-summer-uniform-for-it%27s-flights-attendants

ロシア語は全然わからないけれど、聞いていて心地いい響きだ。

耳元でそよそよ囁いている感じ。フランスほど、どもってない。でも何言ってるかはわからない。

飛行機の中でトマトのことはTOMATと表記することを知った。

結局S7便は通常より1時間遅れてノヴォシビルスクに出発。

到着は現地時間15時。日本時間で17時。2時間の時差。

昨日の感覚マヒが嘘のように、旅行く感がプンプンしている。

荒療治だけれど、あの搭乗前のゴタゴタで、完全にスイッチが入った感じ。

やっぱり旅はこういうものだなと。

夏のような陽気のノヴォシビルスクで、少し伸びをしてそう思った。

さて、今日の夕食はなににしようか。

2 COMMENTS

アバター みやうち

ご無沙汰しております。インスタで旅を始められたことを知り、ブログも拝見しました。この出立のドタバタ焦る感じと、何故か発生するトラブル、ほんとによく分かります。また、それによって入る旅モードスイッチも…
良い旅をお創り下さい、お戻りの際は、是非久しぶりに呑みにでも行ければ幸いです。

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アバター 草作

コメントありがとう!
旅にトラブルはつきものだけど、それも含めて旅の醍醐味だよね笑
帰国後ぜひ呑みましょう!

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