毎日連載中|夫婦世界一周エッセイ

書くことが楽しくなる|20代からの万年筆を使ってみよう

万年筆は筆記具にあらず

 

17歳の時に父親からペリカンの万年筆を貰ってから、万年筆に目覚め、10年以上万年筆を使っています。

今まで使ってきた万年筆は計九本。現在は一軍の二本を行ったり来たりして使っています

万年筆っていうとなにかおじさんぽく感じたりする人もいるかもしれませんが、そんな人にこそ、20代の僕が感じる万年筆の良さを感じてもらえたらなと思います。

万年筆ってどういうものだろう

万年筆はその名の通り、インクを継ぎ足せばずっと使えるペンです。

ボールペンやシャーペンはペン先も総取っ替えしますが、万年筆はペン先はそのまま。

そのため、ペン先は自分の書き方によって徐々に削れ、その人の書き方に合ったオリジナルになっていきます。

”万年筆は育てるもの”と呼ばれるのも、同じ万年筆が二つとしてないからです。

まさに、自分の筆記人生と共にある良き相棒。それが万年筆です。

万年筆でしか生まれないアイデアがある(気がする)

 

僕が万年筆を使うもう一つの理由は、万年筆でないと生まれないアイデアがあるから。

そんなのあり得ないと思うかもしれません。でも実際に、そういうことが結構起こります。

ニトムズの水色ノートを広げ、万年筆を持つと、僕の中で集中のスイッチが入ります。

使い慣れた道具に向かい合った時に生まれるリラックス状態が、アイデアを生むのかもしれません。

そもそも、パソコンに向かって生まれるアイデアと、紙とペンで生まれるアイデアも違いますよね。

と思ってたら、The1975のボーカルもそんなことを言っていました。

インクを吸い出す瞬間は儀式のよう

万年筆のインク補充には2種類あります。

カートリッジ式と、吸引式です。

カートリッジ式は、万年筆の中にすでにインクが補充されているインク棒を装着して使うタイプです。

インクを直接触らないので手が汚れる心配がなく、スマートなのが特徴です。

一方吸引式は、インク瓶にペン先やコンバートを突っ込んでスポイトの原理でインクを吸い上げます。昔ながらのやり方です。

僕は吸引式が好きです。インクが吸われていく感じや、インク瓶が机に並んでいる雰囲気が万年筆を使っているな!という気にさせてくれます。

吸引式はインクが手につくこともあるしお手入れも必要ですが、万年筆らしさがあるのでおすすめです。

また、吸引式の方がインクの色が豊富というのもポイントです。

僕が好きな万年筆インク「色彩雫」は瓶も色もとってもすてき。家に並べるだけでワクワクします。

色彩雫のサイト

実は日本語も書きやすい

金属のペン先を使う万年筆の発祥の地はイギリス。

ということもあってか、万年筆はアルファベットを書くのにもっとも適しています。

でも日本語もいい感じに収まります。特にペリカンやパイロットの万年筆は日本語の執筆に適しているとされています。

僕はペリカンとパーカーの万年筆を使用していますが、普通のボールペンよりも字の表現もしやすく、強弱もつけられていい感じです。

日本語で書く場合は、最初は縦書きの方が書きやすいです。 万年筆を普段使いしない人は、たいていお手紙を書く時に万年筆を使います。

横書きの場合は個人の書き方に合わせて”万年筆タッチ”を勉強する必要があります。

通常のボールペンのようにカクカク書くと万年筆の良さを消してしまうので、僕は「丸っこく・流れるように」を意識して書いています。

コツは遠くを持って・やさしく・倒して書く

万年筆のちょっと難しいところは新品が一番書きにくいというところです。

「万年筆をちょっと書いてみたけどうまく使いこなせなかった」という方もいらっしゃると思います。

特に最初の方はボールペンと勝手が違って、自分とは合わないのかもしれないと思いがちです。

経験上、万年筆の雰囲気に慣れるのに一カ月ペン先が馴染んでくるのに一年はかかるかなと思います。

とはいえ、せっかく買ったので早くかけるようになりたいと思うもの。

ちょっとしたコツをご紹介します。

ペン先より遠くを持つ

万年筆のペン先はグニグニとしなるようになっています。

そのしなりが字の太さ、細さを表現し、万年筆特有の書き味を生み出します。

そのため鉛筆のような使い方には適しません。ペンの根元を持って力強く書いてしまうと、カチコチの時になってしまいます。

習字の筆を持つようなイメージで、ペン先より遠い部分を持つように心がけましょう

やさしく書く

万年筆はゴリゴリ塗り潰すように書こうとすると、ペン先が折れてしまいます。

ペン先が紙に接着している状態で、しっかりとインクが入っていれば力をいれなくてもかけるので、力をいれないように書きましょう。

倒して書く

結構やりがちなのが、万年筆をピーンと上に立てて書いてしまうパターンです。

ボールペンは寝かしすぎるとインクが出なくなるのでどうしてもペンを立てがちになりますが、万年筆の場合、ペンを立てるとインクが出ずらくなり、ゴリゴリとした書き味になります。

これって倒しすぎなんじゃ…と思うくらい倒して書いてみるのがコツです。

良い万年筆の価格の目安は1万円以上

万年筆の価格帯は数千円〜数十万円とかなり開きがあります。

最初はまず「安いものから試してみて」と思いがちですが、万年筆の場合、安価な物と高価なものの差は歴然です。

一番の違いは何と言っても万年筆の命とも言えるペン先。

ここが優秀でないと、変な角度だとすぐインクが出なくなったり、不必要に硬いor柔らかいなどで、書くことがストレスになります。

金メッキのペン先と18金などのペン先がありますが、やはりメッキだと書き味が硬く、育てにくいという側面もあります。

万年筆を使ってみたいと思う場合は、新品の場合は安くても1万円を目安に買ってみることをおすすめします。

アンティーク万年筆がやっぱりいい

僕は今まで九本の万年筆を試してきました。

ペリカン・パーカー・ウォーターマン・パイロット・ラミーと使い、最終的に今使っているのは二本。

ペリカンM120と、アメリカ製ブランド「パーカー」のDUOFOLDです。

ペリカンM120は1950年代に作られた万年筆。パーカーのDUOFOLDは1990年代製。

どちらも作られてから数十年経っていますが、今が一番書きやすいのではないかと思うほど、書き味が素晴らしいです。

新品の万年筆は高価な上、育てるのがすこし大変ですが、アンティークの万年筆は自分のタッチと合えばすぐに馴染んでくれます。

ペリカンは叔母から譲り受けましたが、DUOFOLDは万年筆ショップで購入しました。

新宿にある万年筆専門店「キングダムノート」は幅広い年代の万年筆を扱っています。

価格も様々。安いものは1万円を切るものまで。試し書きもできるので、万年筆に興味がある方は一度は訪れることをオススメします。

入り口の雰囲気は一見さんがくるところではない感がプンプンしますが、店員さんは優しくて色々教えてくれますよ。

おわりに

今日は20代の僕が感じる万年筆の魅力についてご紹介しました。

万年筆は、書くことが好きな人が使うものでしょうか。

僕は逆だと思います。

書くことを好きにさせてくれる道具。それが万年筆ではないかと思います。

ペンのインクが切れたな、次どうしようかなと考えたら、ぜひ万年筆という選択肢を考えてみてくださいね。