かれこれ、冊子作りも2ヶ月目を迎えた。
章ごとのデザインと文章の方向性が決まり、文章を書いては手直し、修正を反映して、また手直しの繰りかえし。
ここにきて数週間前に書いた文章のテイストが気になって、また書き直したりしている。
冊子のタイトルまで変わってしまった。僕たちは一体どこに進んでいるんだろう。
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フウロは新年明けてから、寝ても覚めても冊子作りに向き合っている。
僕は、仕事の休憩時間中と、仕事終わりの数時間と、休日のほとんどを費やしている。
通常、「単行本の企画から刊行までの期間」というのは、90%近くが半年以内と言われているらしい。
ちなみに、3ヶ月以内が約45%。
生まれてはじめて冊子を作ろうとしているので、時間がかかるのは当たり前としても、企画から刊行までが3ヶ月以内で作られているという事実。
出版社、作家、デザイナーというのはどれだけすごいのか思い知らされる。
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文章を書けば書くほど、募る不安がある。
自分たちが書くことの意味を考える。
冊子を作ることはそもそも、僕たちにとってとても意味のあることで、そのことだけでも意義は達成されているとは思う。
ただ、冊子にするからには誰かの手に渡って読んでもらいたいし、読んでもらった人には、いいも悪いも含めて、読む価値を感じられるものであって欲しい。
書く前には「価値」がどこにあるのかわかったつもりで着手したのに、書くことに没頭していると、いつのまにか価値の在りかを忘れてしまう。
紡いだ言葉の隙間に価値が埋もれてしまう。
今更勉強しようがないと思いながらも、なぜもっと僕は文章を書いてこなかったのだろうと反省する。
悶々としていると、横にいたフウロが呟いた。
「その悩みって、絵を描くときに似てるよ。表現したいことがあっても、筆が進まないっていうときはよくある。絵を描かない人からは、『描きたいことがあるのに描かないなんておかしいよ。描けばいいだけじゃん』って言われるんだけど、どう描けば表現できるのかわからないことなんていっぱいある。」
初耳だった。僕が今まで感じたことの無い悩みだった。
僕はきっと今、作品を作っているんだろうなと思う。それも、生涯初の。
「最初に作ったものだから、こんなもんだよね。」となるかもしれないし、奇跡的にいい感じに仕上がるかもしれない。
でも、やっぱり。
書いて、直して、作って、見せなければいけないのだ。
ダメダメでも、イケイケでもだ。
そうすることで、新しいなにかが見えるはずだから。
今日もじっくりと、文章に向き合う。息抜きで、ブログを書く。